2024年版【GCP資格の勉強 PDE編】Hadoopの概要と特徴とは?について解説します。
(★注意:GCP資格 Professional Data Engineer(PDE)試験の公式テキスト・問題集などを元に独自にまとめたものです)
Hadoopは、大規模データの蓄積と分析を分散処理技術によって実現するオープンソースのミドルウェアです。
以下、Hadoopに関する詳細を説明します。
Hadoopの基本
Hadoop(ハドゥープ)は、大量のデータを取り扱う際に使われるコンピュータープログラムの一種です。Hadoopは、特に大きなデータセットを効率的に処理・分析することに特化しています。オープンソースとは、誰でも自由に利用、改良ができるソフトウェアのことです。
Hadoopの基本的な仕組み
- 分散処理: 通常、大量のデータを処理する場合、一つのコンピューターには負荷が大きすぎます。Hadoopでは、複数のコンピューターを使ってデータを小さな部分に分けて処理します。Hadoopにより、データの処理が高速になり、一つのコンピューターにかかる負担も減ります。
- データの蓄積: Hadoopは、非常に大きなデータセットも保存できるように設計されています。たとえば、インターネット上のあらゆる情報や、企業の取引記録など、膨大なデータを保存し、必要に応じて利用できます。
- 耐障害性: Hadoopは、データを複数の場所に複製して保存します。そのため、一つの場所で問題が発生しても、データが失われることはありません。
Hadoopの利用例
- ビッグデータ分析: 企業が顧客の購買傾向や市場の動向を分析する際に、大量のデータを効率的に処理するために使用されます。
- インターネット検索: GoogleやYahoo!などの検索エンジンが、インターネット上の膨大な情報を処理・管理するために利用しています。
Hadoopは、複雑で大規模なデータ処理のニーズに応えるために開発されたツールです。特にデータの量が多い場合や、高速な処理が求められる場合に非常に有効です。
- 分散処理技術: Hadoopは、大規模なデータを効率的に処理するための分散処理技術を使用します。
- 歴史: Hadoopは、Googleの「The Google File System (2003)」と「MapReduce: Simplified Data Processing on Large Clusters (2004)」の論文が基になっています。2006年にHadoop 0.1.0がリリースされました。
- Apacheプロジェクト: HadoopはApacheプロジェクトの一環として開発されており、Hortonworks社、米国Yahoo!社、Cloudera社、Intel社、Microsoft社など多くの企業が開発に参加しています。
Hadoopエコシステム
Hadoopエコシステムは、以下のコンポーネントを含んでいます。
- Hadoop Distributed File System (HDFS): 分散ファイルシステム。複数のマシンのディスク領域を利用してファイルシステムを構築します。
- Hadoop MapReduce: 分散並列処理フレームワーク。データのバッチ処理と並列分散処理を行います。
- Hadoop YARN (Yet Another Resource Negotiator): クラスタリソース(CPU、メモリなど)の管理を行います。
- Apache Hive: Hadoopクラスタ上でのSQLインターフェースを提供します。
- Apache Spark: Hadoopクラスタ上の高速データ分析エンジン。
- Apache HBase: 分散データベース。HDFSを補完し、大量の小さなデータに対する高速な読み書きを提供します。
Hadoopの構成
- HDFS: クラスタ上に分散ファイルシステムを構築し、データをブロック単位で複数のノードに分散配置します。
- YARN: クラスタのリソースを管理し、MapReduceなどのバッチ処理を実行します。
- HBaseとHDFSの関係: HBaseはHDFS上に構築され、HDFSのデータを永続化します。HDFSは大量のデータを高いスループットで読み書きできる一方で、RDBのようなオペレーションには向いていません。
Hadoopの概要と特徴
練習問題 1
問題:
Hadoopの主要なコンポーネントとして、正しくないものはどれですか?
- A) Hadoop Distributed File System (HDFS)
- B) Hadoop MapReduce
- C) Hadoop YARN
- D) Hadoop SQL
正解: D) Hadoop SQL
解説:
Hadoopの主要なコンポーネントには、HDFS(分散ファイルシステム)、MapReduce(分散並列処理フレームワーク)、YARN(リソース管理システム)が含まれます。Hadoop SQLというコンポーネントは存在せず、Apache HiveがHadoop上でSQLインターフェースを提供する役割を担います。
練習問題 2
問題:
Hadoopを使用する際の主な利点は何ですか?
- A) 高いセキュリティ
- B) データのリアルタイム処理
- C) 分散処理による高速データ分析
- D) 小規模なデータセットの効率的な処理
正解: C) 分散処理による高速データ分析
解説:
Hadoopの最大の利点は、分散処理技術を用いて大規模なデータセットを高速に分析する能力です。Hadoopにより、大量のデータを効率的に処理できます。Hadoopは特に大規模なデータセットの処理に適しており、リアルタイム処理や高いセキュリティ機能は主な特徴ではありません。
練習問題 3
問題:
Hadoopのデータ保存に関する特徴で正しいのはどれですか?
- A) HDFSは複数のマシンにまたがってデータを分散して保存する。
- B) データは単一のマシンに集中して保存される。
- C) データは暗号化されていないため、セキュリティが低い。
- D) データのバックアップは別途手動で行う必要がある。
正解: A) HDFSは複数のマシンにまたがってデータを分散して保存する。
解説:
Hadoop Distributed File System(HDFS)は、複数のマシンにまたがってデータを分散して保存することで、大規模なデータセットの効率的な管理を実現します。HDFSにより、耐障害性が向上し、一つのマシンに障害が発生してもデータの損失リスクを最小限に抑えることができます。データは分散されて保存されるため、単一のマシンに集中することはありません。また、HDFSではデータの複製によりバックアップが自動的に行われます。
PDE試験における対策
PDE試験では、Hadoopの基本概念とエコシステム、各コンポーネントの機能と役割、およびHadoopを使用したデータ処理の方法についての理解が必要です。
特に、HDFS、MapReduce、YARN、Hive、HBaseの使い方や特性、それらがどのように連携して動作するかについての知識が重要になります。
また、Hadoopと他のデータ処理技術との比較や、Hadoopを使用したデータ処理戦略についても理解しておくと良いでしょう。
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