OpenAI（ChatGPT）が公表した「プロンプトエンジニア 6つの攻略法」を解説します。
GPTモデルからより良い反応を引き出すための明確な指示、参照テキストの提供、タスクの分割など、効果的な戦略と実際の戦術などが分かります。
さらに、プロンプトエンジニアの将来と専門家の需要の高まりを探ります。AI時代の新たなキャリアとして、プロンプトエンジニアに注目です。
OpenAIは「プロンプト・エンジニア」の攻略ガイドを発表！
最近、OpenAIは「プロンプト・エンジニア」の攻略ガイドを発表しました。
OpenAI（ChatGPT）の公式ページでは、GPTモデルからより良い反応を引き出すための6つの戦略を紹介しています。特に、GPT-4の最新バージョンに重点を置いて解説されています。
OpenAIから公開されたことにより、「公式プロンプト・エンジニア 攻略ガイド」と呼べるものです。
上記の記事によると、プロンプトエンジニアは「21世紀で最もセクシーな職業」といわれ始めているそうです。プロのAIプロンプトエンジニアの年俸は下限が17万5000ドル（約2500万円）で、30万ドル（約4300万円）を超えることもあるということです。
10年前は、「データサイエンティスト」が21世紀でもっともセクシーな職業と言われていました。現在では「プロンプトエンジニア」が注目されています。
OpenAI公式「プロンプトエンジニア 6つの攻略法」とは？
それではさっそく、OpenAIが公表した「プロンプトエンジニア 6つの攻略法」について解説していきましょう。
1. 明確な指示を書く
GPTモデルは、あなたが考えていることを直接読み取ることはできません。だから、何かを聞くときには、どんな答えが欲しいかをはっきりと伝えることが大切です。
例えば、答えが長すぎて分かりにくい時は、「もっと短く説明して」と頼むといいでしょう。逆に、答えが簡単すぎて物足りない時は、「もっと専門的な説明をして」とお願いすると、より詳しい情報が得られます。
つまり、自分がどんな答えを求めているのか、GPTモデルに明確に伝えることが大事です。そうすることで、あなたの質問に合った、適切な答えをもらうことができます。
2. 参照テキストを提供する
言語モデルは、質問に答える時に時々間違った情報を出すことがあります。特に、難しい話題や、特定の引用やウェブサイトの情報を求められた時に、間違いが起きやすいです。
GPTモデルは、本当の情報を使って答えることを目指していますが、時には間違ったり、想像上の答えを作り出すことがあります。ですから、もし本当の情報が知りたい場合は、どの本や記事、ウェブサイトの情報が欲しいかを具体的に教えてください。そうすれば、GPTモデルはその情報に基づいて正確な答えを出すことができます。
正しい情報が欲しい時は、GPTモデルに具体的な情報源を教えると、より信頼できる答えを得られるでしょう。
3. 複雑なタスクを単純なサブタスクに分割する
ソフトウェアエンジニアリングでは、大きくて複雑なシステムを小さくてシンプルな部品（モジュール）に分けるのが一般的です。この方法は、複雑な問題を解決しやすくするために行われます。たとえば、大きなロボットを作るとき、それをアーム、足、頭などの小さな部分に分けて、それぞれを別々に作ってから組み合わせるのと同じです。
この考え方は、言語モデルにおいても大切です。言語モデルとは、人間の言葉を理解し、それに基づいて答えを出すコンピュータープログラムのことです。複雑なタスク（難しい問題）は、単純なタスク（簡単な問題）よりも間違いが起こりやすいです。だから、大きくて難しい問題は、小さくて簡単な問題に分けてから考えるのが良い方法です。これにより、問題を解決しやすくなり、間違いも減ります。
4. GPTモデルに「考える時間」を与える
GPTモデルは、質問に答えるときに、いろいろな情報をつなぎ合わせて考えます。答えを急いで出すよりも、じっくりと考える時間を与えると、もっと信頼できる答えが得られます。
たとえば、難しい問題に答えるとき、GPTモデルは一つ一つの情報を丁寧に考えて、それらをつなぎ合わせて答えを出します。これを「思考の連鎖」と呼びます。この連鎖を大切にすることで、GPTモデルはより正確で信頼できる答えを見つけることができます。
だから、質問に対する答えを急がせるのではなく、GPTモデルに時間を与えてじっくり考えさせることが大事です。そうすることで、より良い答えが得られるようになります。
5. 外部ツールを使用する
GPTモデルには得意なことと苦手なことがあります。苦手なことを補うために、他のツールを使って情報を集めることができます。
例えば、インターネットで情報を探すツールがあります。このツールは、GPTモデルが知らない最新の情報や、特定の話題についての詳しい情報を見つけることができます。GPTモデルは、そのツールで見つけた情報を使って、より良い答えを出すことができます。
他のツールの力を借りることで、GPTモデルの答えがもっと正確で役立つものになるということです。これは、GPTモデルが苦手な部分を補う良い方法です。
6. 変更を系統的にテストする
何かを良くするためには、まずその「良さ」をどうやって測るかを知ることが大事です。たとえば、新しい自転車が本当に速いかを知るためには、タイムを計って比較する必要があります。
コンピュータープログラムも同じです。プログラムを改善するためには、その性能をきちんと測る方法が必要です。ただし、少しの例だけで性能が良くなっていると思っても、他のたくさんの例では悪くなっているかもしれません。
だから、たくさんの違う例を使って、そのプログラムが本当に全体として良くなっているかを確かめる必要があります。これをするためには、「テストスイート」と呼ばれる一連のテストを用意します。テストスイートによって、変更がプログラム全体に良い影響を与えているかをきちんと確認できます。
OpenAI公式ページでは、6つの戦略にそれぞれ具体的な戦術が紹介されています。全てを網羅しているわけではなく、ここに示されていない創造的なアイデアを試すこともできるということです。
「プロンプトエンジニア認定資格」が登場する？
AIやOpenAI、大規模言語モデル（LLM）が普及するにつれ、近い将来、「プロンプトエンジニア認定資格」というものが登場するでしょう。すでに、海外及び国内のどこかの団体が準備していると思います。
「プロンプトエンジニア」の海外での年収が少なくとも約2500万円、多ければ約4300万円を超えるということですから、日本でも「プロンプトエンジニア」のブームが到来すると思います。
パソコンを操作する時代が終わり、プロンプトを操作する人がIT技術者と呼ばれるようになります。
ただ、「プロンプトエンジニア」といっても、今後は細分化されていくでしょう。
「データ分析専門 プロンプトエンジニア」、「法律専門 プロンプトエンジニア」、「医学専門 プロンプトエンジニア」などです。
どちらにしても、ChatGPTなどの生成AI・大規模言語モデルのプロンプトに慣れておくことをおすすめします。
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